yura*'s rakugaki diary

つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

眠れるラプンツェル

 山本文緒先生の『眠れるラプンツェル』を読む。

 マンションに住む専業主婦の女性が主人公。

 優しいが家にはほとんど帰らない夫との生活に生きがいを見いだせず、外へ遊びに出かけたり、部屋でぐうたらする日々。

 そんな刺激のない日常が、夫が突然連れてきた猫や、隣に住む少年、少年とは血のつながりのない父親と関係を結んだことで壊れていく。

 そして、自分の人生を歩むとはどういうことなのかを、一度壊れた日常から新しく見つけて物語は終わる。

 とても重い話だった。文章自体はとても軽やかで読みやすいのだが、テーマが重い。そして最後に主人公が起こす行動が衝撃的で、ドキッとしてしまった。心臓に悪い。

 マンションならではの周囲の人間とのある種面倒な関係を余すところなく表現しつつ、実は相手から受ける感情が自分の内面から出ていることに気づかされる。他人は自分を映す鏡。そんな言葉を思い出した。

 次は『ファースト・プライオリティー』を読もう。

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