かがみの孤城
2018年4月13日
この前の日記で辻村深月作品を紹介した。
たまたま、文房具を購入しに本屋に行った際に、本屋大賞受賞の「かがみの孤城」をなんとなく購入。なんとなく読んでいたらあっという間に読了。
単刀直入に表すと「感動できる準ライトノベル」。主人公の感情や、他の主要人物の気持ちは、さすが辻村作品なだけあって、非常に納得できる。言いたいけれど、言えない気持ち。他人とのギャップへの不安や劣等感。どの感情をとっても、自分のものとして理解できる。
ただし、約1年間を描いた作品にもかかわらず、終盤まで、わりと広く浅く、さらっと流れていくのは少し焦った。思いのほか、文章が軽い。中盤でのピンチな場面も、割とあっさり解決し、これで終わってしまうのかな、と不安になる。そして、さらに伏線の回収が予想通りで、少しがっかり。
ところが、最後の1日からエピローグにかけて、怒濤のラッシュが。ずるい。これで泣かないわけないよ。途中までのモヤモヤした気持ちが全部最後に持っていかれた。この最後の濃度は間違いなく辻村深月。久しぶりに思い出した。
以下、あらすじ。(先入観なく読みたい場合は注意)
中学生になって同級生からの嫌がらせで学校に行けなくなってしまった主人公こころが、突然光を放った自分の部屋の姿見の中から、謎の狼お面の少女”オオカミさま”に「お城」に呼ばれ、同じく召喚された、いろいろな境遇を持つ男女の計7人で、5月~翌年3月30日までの間に、願いを叶えることができる鍵と願いを叶える部屋を探すという物語。
以下、多数のネタバレ含む。要注意。
読み始めて思ったこと。
- ”オオカミさま”は何者?
- 願いは一人しか叶わない。誰が叶えるのか
- 願いを叶えると記憶が消えてしまう。みんな現実世界で会えないのか
- スバルとアキは突然髪を染めたりしてキャラが安定しない
1,2,3はすべて終盤に判明する。そして4は彼らの生活している「世界」が関係していた。
中盤から思ったこと。
- ウレシノが喜多嶋先生に興味がない。つまり……
- 日付がずれている時点で何年かを気にしないのはさすがに違和感
- 東条萌はなぜ遅刻してきたのか
- 保健室にストーブは古くないか
2は、特に明確な理由は明示されず。1,3,4はすべて伏線。今回、1の時点で、トリックに気づいたので、2の違和感はずっと持っていた。
終盤は、是非読んで感じて欲しい。思わず読み返してしまった。
以下、直球でネタバレだけれど、どうしても言いたい。最要注意。
マサムネ、本当にスバルが開発したゲームができてよかったな!
というわけで、今日は「かがみの孤城」のイメージを描いてみた。