yura*'s rakugaki diary

つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

吉川英治 三国志 その3

 ついに赤壁の戦いが終盤になった。

 孔明の予言通り、東南の風が吹き荒れ、黄蓋を先陣に曹操軍の停泊する烏林に突撃。瞬く間に火の海に。

 あっさり描かれるかと思いきや、なかなか凝った描写だった。戦闘に至るまでの呉と魏の罠の掛け合いが面白い。

 そして達観している孔明の優秀さが際立つ展開だった。すべて予見しているかのような見事な采配。

 惜しむらくは、逃げ延びた曹操関羽が情をかけ見逃したこと。これも孔明が危惧していた通りの展開なのだが、さらには逃がすことまで見透かして敢えて向かわせたというのも心憎い。なんでも、関羽曹操に恩を返して心残りを取り払ってあげようとする気遣いだという。

 これからの劉備、魏と呉、それぞれがどう渡り合っていくのか、楽しみだ。

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