yura*'s rakugaki diary

つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

ドコモの新料金プランとファミリー割引

ドコモの新料金プランが発表された。

 

www.nttdocomo.co.jp

 

思ったほど安くならなかったこと、加えて自分で上限を設定できないステップ式の料金設定だったことに少しがっかりした。しかし、一方で長期利用者と新規利用者を取り込むために、上手く設定した部分もあるように思える。

 

それが、ファミリー割引の拡大。ファミリー割引とは代表回線から三親等以内のドコモ利用者を範囲とした割引制度だ。

 

www.nttdocomo.co.jp

 

いままでスマートフォン向けのプランでは、ファミリー割引はあまり意味がなかった。唯一、家族内通話無料であることだけ。

 

それが、今回の新プランによって直接、料金からの割引が受けられるようになったのだ。

 

ドコモ新プランのファミリー割引

ドコモ新プランのファミリー割引

https://www.nttdocomo.co.jp/charge/discount/minna_docomo/?icid=CRP_CHA_PRO_gigaho_gigalite_to_CRP_CHA_discount_minna_docomoより引用

 

これにより、家族みんなでドコモにすることがメリットになるうえ、割引上限の3回線ぴったりの場合は、だれかがキャリアを変更することが、他の人へのデメリットになるので、キャリアの変更に対する抑止力となる。

 

今までのような、他の人のデータ量を気にするシェアパックと違い、ファミリーグループの中で一人だけ新プランにしても割引されるという点も魅力的。

 

問題は、分離方式後の端末価格。通信料金が低価格になったとしても、端末価格との合計金額が高くなったとしたら事実上の値上げとなってしまう。

 

特に端末は電池の劣化が避けられないため、実用性を維持するには3~4年での買い替えが必要となる。

 

SIMフリースマホも、合わせて検討した方がよいのかもしれない。

『ブルーもしくはブルー』 読了

今日も山本文緒先生の作品『ブルーもしくはブルー』を読む。

 

ブルーもしくはブルー (角川文庫)

ブルーもしくはブルー (角川文庫)

 

 

先に読んだ『恋愛中毒』、『プラナリア』では「日常」に潜む歪みを描いていたが、今作では「非日常」から始まる日常の崩壊が描かれていた。

 

自分と全く同じ生い立ちだが、違う結婚相手を選んだ二人の蒼子。光と影。親しい人は光側の蒼子しか見えない。そんな二人が、入れ替わって生活をするという、一見すると楽しそうなストーリー。お互い、新しい夫、不倫相手、仕事、家事にと、新鮮で楽しい生活を送る。

 

しかし、そこは山本作品、徐々に雲行きが怪しくなり、あっという間に世界に闇が訪れる。ドッペルゲンガーという、出会ったら死ぬ、という伝承を連想させることで、二人の主人公の暗い未来を暗示させる。

 

片方の蒼子が、偽りの夫婦生活に嫌気がさし、元の生活に戻ろうとするのだが、もう一方の蒼子が相手の蒼子になりすますことで、抵抗する。そこに、怒ると暴力的になる夫や、優しいが不甲斐ない不倫相手などが交わり、日常が崩壊する。

 

日常が崩壊しても、結局は、延々と日常が姿を現して、バラ色の世界などない。それでも、人は生きていくのだった。

 

三日連続で読みたくなるほど山本文緒先生の作品が好きな理由が、少しわかってきた。辻村美月先生の作品が好きな理由と同じで、人の心の繊細さを、美しい部分・醜い部分を差別せずに、これでもか、というくらい説得力のある具体的な描写で表現しているからだ。

 

まさに、辻村作品と山本作品は光と影。どんなに醜いと思った世界でも、最後に暖かい光に包まれるのが辻村作品、どんなに美しいと思った世界でも、かならず綻びが生じて、闇に覆われるのが山本作品。ただ、その根底にあるのは、人は皆、悩みながら生きている、ということだと思う。

 

人生の正解などどこにもない。正解だと思い込むことも失敗かもしれないし、失敗だったと認められること自体が、正解なのかもしれない。

 

悲しい話ばかり読んでいて、人間不信になってしまいそう。そろそろ、頭を空っぽにして読むことができる、明るく楽しい恋愛小説を読みたくなってきた。

プラナリア 読了

昨日に引き続き、山本文緒先生の作品「プラナリア」を読む。

 

プラナリア (文春文庫)

プラナリア (文春文庫)

 

 

乳がんをきっかけに、厭世観に支配されてしまう主人公を描いた表題作「プラナリア」を始め、どこにでもある「普通」を手に入れることができずに苦しむ人々の葛藤や寂しさを描いた短編集。

 

「恋愛中毒」、「プラナリア」どちらも、当たり前の日常に潜む歪みを巧みに描いているという点に恐怖すら覚える。だまし絵で有名なエッシャーの『上昇と下降』を彷彿とさせる。

 

en.wikipedia.org

 

一方向から切り取ると、一見矛盾しているところは見当たらない。しかし、実際に視点が変化して違う方向から見ることで、徐々に違和感に気付き、実は、最初の視点でのみ成立する、偽りの世界だったことに愕然とする。

 

収録されている3話目の「どこかではないここ」では、息子と娘、会社員の優しい夫がいる、いかにも幸せそうな主婦が登場。早起きしてお弁当を作ったり、実母や義父のお見舞い、深夜のパートなどをこなすスーパーお母さん。

 

しかし、その一方で、家計の苦しさや、娘や夫、実母との関係、パートによる寝不足などで、頭と心が麻痺し、キセル乗車を平然と行い、息子の大学入学プレゼントであるマウンテンバイクを自分専用にし、口答えした息子を殴ることで快感を覚える、負の一面も持ち合わせている。

 

人間の光の部分に、さも当然のように影を差し込んでくる冷徹さ。読んでいて背筋に冷たいものが走る。光が強ければ強いほど、影は濃くなる。幸せな光景、幸せそうな人、本来読んでいて楽しくなるはずの、そういった場面が登場するたび、突然訪れるであろう闇を思って心が重くなっていく。

 

それでいて、手が止まらないほど読んでしまうのは、本来触れられたくない人間の本性や内に秘めた不安が、隠すことなく描写されており、どこか自分を重ね合わせてしまうからだろう。なんの不安もなく生きている人は、どこにもいないのかもしれない。

恋愛中毒 読了

山本文緒先生の「恋愛中毒」を読んだ。

 

恋愛中毒 (角川文庫)

恋愛中毒 (角川文庫)

 

 

別れた相手に執拗に追い掛け回され、転職を余儀なくされた男性社員の井口。その井口の勤める会社へ、元彼女から電話が来たことから物語が動き始める。

 

会社へ現れヒステリックになる元彼女を、ぶん殴って追い払いつつ、一方で、その異常なまでの執着心に理解を示す事務社員の女性水無月。その水無月は、社長萩原との間に秘密を抱えており、社内では萩原の愛人ではないか、と噂されていた。

 

井口と水無月が、萩原に誘われて居酒屋で顔を合わせる。社長が体調不良で席を外し、井口と水無月が二人っきりになったところから、水無月の長い自分語りが始まる。

 

伏線を張るたびに場面が転換し、まるで伏線などなかったかのように話が展開するので、どうやって回収するのか知りたくて途中で手が止まらなくなり、一気に読んだ。裏表紙のあらすじを読んだときは、悲しい静かな恋のお話なのかと思っていたが、正反対だった。恋愛小説の皮を被ったサスペンス。もしくはホラー。

 

井口の目線では、クールだけれど、どこか冴えず、何を考えているかわからない水無月。しかし、逆に、水無月自身の視点で語られる彼女の恋愛事情を知ると、その心の奥底に確実に存在する、ねっとりと重く深い闇を覗き込んだ気がして恐怖感が湧いてくる。

 

今まで水無月が冷静に観察し、描写されていたと思った世界に、気づかぬうちにヒビが入り、終盤で突然、ドミノ倒しのように崩れ去る。そして、辛い過去を乗り越えて、ようやく終わったと思っていた彼女の恋愛中毒が、実は現在進行形であることが明かされて、物語が終わる。

 

記憶を無くして読みたい作品リストに追加したい作品。

 

本来の楽しみ方とは別に、小説家創路に、北方謙三先生を重ね合わせて、楽しんでいた。「試みの地平線」はおススメ。

 

試みの地平線 伝説復活編 (講談社文庫)

試みの地平線 伝説復活編 (講談社文庫)

 

日立さくらロードレース参加

2019年4月7日(日)開催の第19回日立さくらロードレースに初参加。

 

10㎞の部だったので9時スタート。コールはないため、スタート時間までにスタート位置についていればOKで、時間に余裕があり、ありがたい。

 

今回は、ランニングを始めたばかりの知り合いの付き添いだったので、特に気負うこともなく、のんびりとお花見気分で参加。気温も走ると暖かいくらいで丁度良い。

 

8時過ぎに会場の日立シビックセンター入りだったのだが、常磐線が満員電車状態。開会式もそこそこに、荷物を預け、記念撮影スポットで写真を撮り、トイレへ。この時点で8時50分。

 

トイレが思いのほか渋滞していて、8時56分に会場からスタート地点へ小走りで向かう。スタート地点はシビックセンターから100mほどなので、すぐ到着。

 

元気なアナウンスの声とともにスタート。桜満開のメインストリートを走る。

 

2kmほど走ると、目の前に大海原が。絶景。海沿いの道を走る。3.5km地点でお決まりのトイレへ。なぜか、大会になるとトイレが近くなる。知り合いには先に行ってもらったが、この後追い付くのに時間がかかった。トイレによるタイムロス、恐るべし。

 

6km手前で折り返し。太鼓の演奏で盛り上がる。途中ハーフマラソンの先頭集団とすれ違って、その走りに見とれる。

 

9km過ぎに海沿いのコースが終わり、残り1km。若干の上りを終え、ゆるやかな弧を描きつつゴール。

 

タイムはウルトラマラソンの10km通過ぐらいだったので、景色を楽しみながら走ることができた。

 

昨年のレビューであった方が良いと指摘されていた、完走後のあんぱんと、記録証を入れるクリアファイル、ビニールバッグが完備されており、運営する方々の努力を垣間見ることができた。とても素晴らしい一日をありがとうございました。

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